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海外飛び出すことになったブログ

やっと海外行きが決定しました。ミーハーな海外フリークがthinkとdoをこつこつ記録します。

Book Review 『アフリカは今』

 

好き度:★★★★☆

 

アフリカの基礎知識をつけようキャンペーンの一環で、手に取りました。

 

著者の松本仁一(じんいち)さんは、東大法から朝日新聞、そしてフリージャーナリストという経歴の人です。著者の経歴や出版社によってはイデオロギーが過度にはっきりしていることもあるので、本を読むときは軽くチェックするようにしています。この本は扇動的なこともなく、ふむふむと読めました。

 

資源はあるのになぜ?植民地支配から独立したのになぜ?アフリカに関しては、はてなマークが尽きません。一読しただけでは、「これ!」と原因を言い切れるほど理解が追いつきませんが、以下、印象的な部分をピックアップしようと思います。

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1.かつてあったキラキラ王国たち

まず、13世紀のマリ王国。西アフリカですね。アラブ人歴史家のイブン・ハルドゥーンによると、メッカを巡礼したマンサ・ムーサ王は道中カイロで金の粒をばらまいたそうな。

舟で北上してきたアフリカ人商人と、砂漠をラクダで南下してきたアラブ人商人の交易市場が栄えた。(P.22)

(レコンキスタで)スペインを追われたイスラム学者やイスラム詩人がトンブクトゥに集まり、グラナダコルドバの文化を持ち込んだ。(同)

アラブ人紀行家イブン・バットゥータ曰く、

「マリの王は規律正しく国を治めている。王国の黒人たちの資質はすぐれており、彼らは他のどの民族よりも不正を憎んでいる。・・・旅行者も居住者も、泥棒や暴漢の心配をする必要はなく、治安の問題はまったくない。」(P.24)

想像するだけでめっちゃ最高そうな国ですよね。

 

あと、15世紀のモノモタパ王国モザンビークあたり)。アフリカ東海岸に寄港したポルトガルの渡海者バスコ・ダ・ガマ

「われわれが入港すると、回りには倍以上もある大型のアラブ船が何隻も停泊していた。われわれの船はみすぼらしいほど小さかった。黒い人々は、故国ポルトガルよりはるかに洗練された街に住み、豊かな生活をしている。」(P.29)

と記録しています。そこで野蛮な異国人として扱われたポルトガルは、大艦隊を送りこみ支配を始めました。

かつては自立した立派な国を築いていたことを鑑みると、「アフリカ人は国を統治する能力がない」説は荒唐無稽なものとして排除できます!

 

2.農業デストロイヤーとなってしまった援助

援助、国際協力の分野に携わっていきたいと考える私にとっては、教訓となる話。

〔事例1〕1983年、大干ばつが起き食糧危機が発生。耕作ができなくなったマリの農民たちは首都に流れ込み、国連は彼らにむけて小麦粉、食糧油、魚の缶詰などを送った。ところが農民たちは配給品を消費せず、市場で安く売りはじめ、市場価格は崩壊。なんとか農業を続けていた住民たちも、いくら農作物をつくっても値崩れのせいで収入に結びつかず、農業を放棄し配給品を受け取り始めた。。

 〔事例2〕ケニアにて青年海外協力隊員がじかまき農法から脱却すべく、田植え農法を指導していた。1984年の大干ばつで、日本やアメリカがタイ米を大量に隣のタンザニアに送り国境付近では援助米が安く出回る。ケニアで田植えを学んでいた農家も、品質、価格で援助米に太刀打ちできず、増産意欲を失った。手間のかかる田植え農法をやめ、もとのじかまき農法に戻してしまった。。

 

こんなことは誰も望んでいたかったはずなのに、結果としてそうなってしまった。どこでストップするべきだったんだろうか?現物を支給しとけばいいという考えは安直すぎるようです。

 

3.部族って?民族?

民族:一つの国家を形成するに足る大きな集団、または民族学的に共通の文化・言語を持つ集団。

部族:国家を形成する様々な集団。

この定義では実態をつかみにくいけれど、同じ国の中で多数派の○○族と少数派の△△族との争い、のように住民は国としての一体感よりは部族への帰属意識が強いのだといえそうです。

現在の国際社会の中で存続していこうとするかぎり、国民国家を作ることは必要で、そのためにはナショナリズムの形成が不可欠なのだ。国民国家ができればやっと政策政党が生まれてくる。(P.158)

藩を廃止して国民国家を早急に作り上げた日本の話がでてきます。そうしないと列強に即座に食いものにされるという差し迫った状況にあったからこそなしえたという指摘。

 

そういう状況になく、もし国民国家としてどうしてもやっていけないというのなら、列強諸国の好き勝手にひいた国境線にそわずとも部族ごとに国家をつくればよいのでは?と思うのは甘いでしょうか、、?

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この本は他にも、奴隷貿易アパルトヘイトモノカルチャー、こども兵士、中国の新植民地主義などなど興味深くも悩ましくもあるトピックが目白押しです。

次は、アフリカの中でも無双状態で貧しいソマリアと、穏やかに貧しいマラウイとの違いがわかる本を探そうかなー

 

それではまた!