Book Review「『罪と罰』を読まない」
好き度: ★★★★☆
出版社に勤める友人のすすめで読んでみました〜
題名そのままで、ドストエフスキーの罪と罰を読んだことのない4人の作家、翻訳家が集まってあれやこれや話す本です。
何回もふふってなった(笑)おもろい(笑)
「読んだことはないけれど、なんとなく知ってる」人たちと、「読んだことはあるけれど、よく覚えていない」人たちの認識に、さほど大差はないのだった。では、いったい、「読む」とは、どういうことなのか。何をもって、「読んだ」と云い得るのかーー。
「読む」という言葉には、「文字を読む」という使い方の他に、「先を読む」という未知への推測の意味をこめた使い方がある。このふたつを組み合わせれば、「読まずに読む」という、一見、矛盾しているようなフレーズが可能になる。「本を読まずに、本の内容を推しはかる」という意味である。
本の前編は、『罪と罰』を読まないまま開かれた「未読座談会」の様子がつづられ、読者向けタネ明かしをはさんだ後、「読後座談会」として四者の会話が収録されています。
みなさん本に関わるお仕事をされているので、視点がなるほどーというものばかりでした。
例えば、口調が一人称なのか三人称なのか、解説は第三者がするのか誰かのセリフにぶっこまれているのか、場面展開の手法は、、など。
恥ずかしながら、今まで物語をさらーっと読んで消費するだけで、読み込んだりかみしめたりしてなかった。作者っていろんなことを考えまくって生み出してるんだなーーというすごい基本的な感想を持ちました。
私は「読んだことはあるけれど、よく覚えていない」タイプ!( ͡° ͜ʖ ͡°) 昔の読書メモには、
長かった。思想は解説を読んでなんとかわかる程度だが、読み物として面白い。これだけ長いのに場面の転換がほとんどなく、ずっと時間的•空間的につながっている。名前が覚えられない。
とだけ(笑)
筋より何より、読み切ったことに疲れてお腹いっぱいでした(´⊙ω⊙`)
1番おもしろかったのは、読後座談会での4人のイキイキ感がはんぱない(笑)未読座談会では歯切れ悪く「あーでもないこーでもない、でもこーかも?」というのが続いて、まぁ一緒に推測を楽しめるんですが、読後の饒舌ぶりがなんとも好きでした!
私も未読座談会してみようかな。
それでは!