Book Review『タイムマシン』
- 作者: H.G.ウェルズ,佐竹美保,H.G. Wells,雨沢泰
- 出版社/メーカー: 偕成社
- 発売日: 1998/07
- メディア: 単行本
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好き度:★★★☆☆
大好きな友達がおすすめ、プレゼントしてくれた本!
タイムマシンを作って乗ってみたタイムトラベラーが時空の旅経験を語ってくれる!その時空というのが、近未来という現在の延長として想像できるものではなく、80万年後っていう設定。
時間軸を逆方向に80万年遡ると、地球は地質年代でいえば新生代、ジャワ原人が繁栄していた時代。めっちゃ昔だよなぁ。
奇遇にも、今日は200年後の未来に生きる人たちが現代に現れたら、、という話を聞いて、場所的に世界レベルで考えるのと同じように、時間的にも未来の方向に広く考える視野って必要ー!とおもった。
Think globally, act locally! にかぶせて言うならなんて表現できるんやろう?Think eternally, act now! みたいな?
びっくりだったのは、私が至高と考える世の中も、80万年後には人類にとって裏目に出てたという点。
安全で快適そのものの社会になれば、本来なら力となる活発なエネルギーも、弱点になるだろう。(P.70)
危険を排除し安全を確保し、悲しみや怒りという負の感情を減らして幸福にあふれる穏やかな世界、、(お花畑)が一応の私の理想郷像だったのですが。それが実現して悔しさをバネに頑張るみたいな「野蛮な」気持ち、行いがなくなって人類は無能でふわふわした言語もまともにしゃべらない生物に成り下がっていたのです。
ぎくっ。それは今でも感じる!途上国の人たちは豊かになろうというまさにハングリー精神がやばい。バンコクで思ったのは、大都会のビル群のすぐ裏に、戸もないような崩れそうな木の家群が並ぶ。あれだけ目に見えて貧しさが近くにあれば「自分はあそこに戻りたくない」という正当な?上昇志向が強いのも無理ない。
実際日本に来てる外国人は、母語+日本語+英語とマスターしていて個人レベルでみたら私となんか比べ物にならんくらい努力してて有能。頑張ってくれたちょっと昔の日本人のレガシーにのっかって、ド楽な生活をしている自分に喝。
日本は世界に先駆けて、80万年後の無能人類に片足つっこんでる課題先進国なのかも?
人間の知性の思いえがいた夢が、こんなにはかなく消えたのかと思うと、ぼくは悲しかった。まるで知性の自殺だ。人はここちよい楽な暮らしを追いもとめた。いつまでも安全でゆるぎない、調和のとれた社会をつくろうとしてきた。そして、その目標を達成し、こういうふうになった。(P.165)
問題の本質を考えようとせず、目に見える範囲のことにだけとらわれるのって愚かだ!と思ってましたが、目に見えない範囲って際限ない。目の前のことするのって尊いなって思いました。
はーーーーまた次回!