Book Review『聖の青春』
好き度: ★★★☆☆
『聖の青春』 これほど題名が内容を完全に表す本はめったにないんじゃないか!
たっくさん本を読む友達がくれた本。将棋には今まで無縁だったので、戦局の話はほぼわからんかったけど、、、夭折の天才棋士・村山聖(さとし)さんの青春をまさに描いてる。
せい-しゅん【青春】
①(五行説では春は青にあてる)春。陽春。
②年の若い時代。人生の春にたとえられる時期。 (広辞苑)
人生の春、ってことは春夏秋冬があってその四分の一くらい?(日本の場合は。他の国、ドイツとかだと春はもっと短そう)
自分の感覚では人生80年のうち、10~30歳あたりを指す。
村山聖さんは5歳でネフローゼという病気にかかる。そして29歳で死ぬ。本に描かれているのはその間の彼の人生。主に病気と将棋で構成されている風だった。
で、5~29歳までずっと青春。とぎれることなくずっとアツくて、青春っぽい。「一生青春」というちょっとくさいフレーズも、彼の人生にあてはめてみるとリアルそのもの。
広島出身の村山聖さんは、病床で将棋に出会い、最初は広島で無双状態に。でも都会に一歩出ると。
広島では強い強いと誉められたが、結局は井の中の蛙だったんじゃないかと疑心暗鬼になりかけていた。全国には化け物みたいに強い子供がいっぱいいる。(p.65)
それからさらに頑張る。
明確な目標があり、そのための努力があった。そんな単純な図式が心地よく、聖の心は充たされていた。今の自分の努力は、自分の夢に直結している。やればやるほど確実に名人に近づいていく、その現実が聖のやる気をますます募らせるのだった。(P.76)
村山聖さんの師匠である森信雄さん(愛媛出身)の人生もけっこう描かれる。
もちろん棋士なんだけども、昔は貧乏で大阪に出て将棋とは関係ない仕事でお金をかせいでいたことも。
ゴム工場とか呉服屋のように自分がやるべきことや仕事の意味がわからないというのが、森にとってのいちばんつらいことであった。自分が役に立っているのかどうかさえわからずに、何がしかのお金を受け取ることに激しい抵抗感と屈辱感があった。(P.96)
あれ、なんか自分がメモったところ、仕事論部分しかないやん。笑
とにかく村山聖さんは死というタイムリミットを常に意識して、時間の無駄を極度に嫌い、超あつい人生歩んだんだな~というのを知った。
反面、というか、であるがゆえに、めちゃくちゃ頑固で譲らない。自分のしたいことだけをする。(この人の場合は、自由放埓というんじゃなくて、目標のために必要なショートカットだけを歩む感じ)で、周りはそれを受け入れる。
この構図は最近見た 『3 idiots(邦題:きっと、うまくいく)』というインド映画の登場人物たちとかぶるので、ぜひこちらも。
gdgdすごしてる暇ないな~!