海外飛び出すことになったブログ

やっと海外行きが決定しました。ミーハーな海外フリークがthinkとdoをこつこつ記録します。

Book Review『人工知能が金融を支配する日』

 

人工知能が金融を支配する日

人工知能が金融を支配する日

 

 好き度: ★★★☆☆

 

本屋の店頭でふと目についた本。

 

人工知能に取って代わられる仕事がある、海外での人口知能の導入はすでに日本より数段階先を行っている、こういう状況を踏まえて日本の金融界はどう変わるべきかの提案が書かれています。

 

自分に思いあたるところがありすぎて、ぎくっとしたのが、

まったく個人的な推測ですが、日本の金融機関の文系出身の経営者にとって、キー•テクノロジーの中で理解可能だったのが仮想通貨に使われたブロックチェーンぐらいだったのかもしれません。機械学習など最新の人工知能の理解には、ベイズ推定など広範囲な統計や関連する数学の知識や、コンピュータ•アルゴリズムについての洞察力などが必要であり、慣れない頭では相当厳しいものがあるからです。(P.183)

イエス、相当厳しい!すべての単語に脚注必要なんじゃないか...ぐぬぬ..ってなりますね。人工知能の技術を金融に活用するフィンテック。日本では、ブロックチェーンの技術が押されてます。お金がどういう経路をたどってきたかがすべて記録されていて、電子マネーみたいにピッと支払いをするときに、過去の履歴と照合して不正なお金じゃないかとかがわかるらしいです。これは「犯収法!犯収法!(犯罪収益移転防止法)」と躍起になって不正なお金の移動をなくそうとしてる銀行(と超細かい本人確認に協力しないといけない利用者)にとっては、うまく使えばめちゃよさそうな技術。

今はまだピッから会計できるのに15分くらいかかるらしく、まだあまり普及していないと聞いたことがあります。

 

少しそれますが、ブロックチェーンの技術を使ったものとしてビットコインが挙げられます。昔アツいーーと感激してアカウントだけ作りましたが、なんか調べるのがめんどくなって放棄してました。。が、改めてHPみてみると、ほんまおもしろくて考えた人神やんってなります。

ビットコイン(Bitcoin)とは仮想の通貨【bitFlyer】

しかもビットコインを発案した人はなんと、誰かわからない。Satoshi Nakamotoと名乗る人がネットで発表した論文がもとやけど、本名かどうかも不明で、謎につつまれているとのこと。ウィーンの経済学者、フリードリヒ・フォン・ハイエク中央銀行は要らない~みたいなことを言いましたが、まさにそれな技術。詳しくはぜんぶ上のリンクで。

 

次はおきまり、人工知能の発達=人間の仕事減る!の話。

ロボット化の高いリスクにさらされているのは、単純労働ではなく、比較的高いノーハウを必要とするような仕事が多いことです。たとえば、クレジット•アナリストや融資係の仕事などは、経験と知識がいる仕事であり、20世紀までの機械がこうした仕事に対応することは簡単ではありませんでした。(P.164)

単純労働以外のものまで、ビッグデータで可能になってしまいます。膨大なデータから「こんな性質の人はちゃんと返済してくれる可能性が高い」、「この会社は土台に載らない」などを機械がより正確に判断することができるようになるそう。でも人間の仕事が機械に置き換えられるのはそう悲観することでもないと思っていて、例えば今飛脚はいないけど、車の登場を憎むことはないです。

 

では、人間は何をすべきか?

単に財務基盤や収益性だけでは測れない社会的意義の高い事業への融資などの金融サービスやアドバイス、さらにはより繊細な心遣いが必要な個人等に対するサービスをする業務(P.219)

 は機械任せにせず、人間が携わるほうがよいとの指摘でした。

 

そして、金融業界を俯瞰します。これまでの日本の金融機関は、、↓

金融行政においては当時の監督官庁である大蔵省が、各金融機関を手取り足取り指導することによって、すべての金融機関を破綻させないという政策をとりました。

護送船団方式のもう1つの特徴は、業界の垣根を高くして、異業種や異業態への相互参入を認めないというものです。銀行は銀行、証券は証券という領域には法律上の垣根が設けられていました。証券、銀行の違いだけでなく、銀行の中にも、外国為替専門銀行の東京銀行や、長期信用銀行はそれぞれ別々の法律に準拠して、非競争的な役割が与えられていたのです。(P.185)

 競争原理が働いていない、、、らしい(泣)

また今後は、

ビッグデータ機械学習による分析の時代に移行すれば、これまでの各社の個性の価値が失われる(P.217)

これも言われて久しいことです。 

 

そんな未来が待ち受ける金融業界。

日本がなすべきことは、アメリカのヘッジファンドのまねをすることではなく、最先端のテクノロジーに追いつき、世界に負けないような水準の独自のテクノロジーを作り上げ、それをできるだけ公共の目的で使用する(P.220)

 ヘッジファンドはとんでもない額の報酬で技術者を招き入れて開発に力を入れています。ただ、どこも技術の内容などの情報はほとんど外部に出さず、一部の人だけがその恩恵を享受していて、それにアクセスできない一般人は、実はもうすでに人工知能のトレーダーが席巻している取引所の株価、為替の乱高下にあたふたするだけというのが実情だそう。そういう意味で、彼らとは違う、公共性を持った人工知能の技術(の運用)を推奨しています。

 

金融庁ベンチマークというのを策定して、各金融機関が独自性を打ち出し、担保に依存したり決算書などの表面の数字に固執したりしない目利き融資をしていくように誘導しています。人工知能の利用と掛け合わせて、いけてる金融機関が日本にたくさんできればいいですね!

 

こういうことを考えていると、銀行でも解禁された保険や投資信託の販売は、銀行経営の柱にはなりえないよなぁと思ったりします。マイナス金利で利ざやがとれない昨今の当座の収入源ってイメージ。

 

最後に、おまけで関連おすすめ映画。

本の中にも出てきますが、人工知能から遡ってコンピュータというものの歴史を語るときには、この人の存在は欠かせません。アラン・チューリング。第二次大戦中にドイツ軍の暗号エニグマを解読すべく、コンピュータの原型を開発したイギリスの数学者です。本人も、自身をガリレオアインシュタインと並べて話しちゃうほどのすんごい人なんですが、知名度でいえば低いですよね。その理由は、イギリスがその技術もろもろをずっと隠し通してきたから!えげれすぅ、、、!彼が暗号解読に成功したおかげで第二次世界大戦は数年早く終結したとも言われています。

 

天才たちが寄り集まって、仕事をばああああっとこなしていくのは本当にかっこいいし、やっとのやっとで暗号解読できたのに「ああああまじかああ」というジレンマ、さらに彼への処遇のひどさたるや。同性愛の罪で化学的去勢とか。

 

画面からあふれるちょっと暗めのイギリス感、ほんまに秀逸な映画だったのでぜひ!