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海外飛び出すことになったブログ

やっと海外行きが決定しました。ミーハーな海外フリークがthinkとdoをこつこつ記録します。

Book Review『下り坂をそろそろと下る』

 

 好き度:★★★★☆

 

ここ1年くらいで私の人生に何回も登場してき始めた平田オリザさんという方。ついに著作を読むに至りました。青年海外協力隊の顧問?の教授がおすすめしていた一冊。

 

日本はどうしていくべきだろうか?っていう話です。もう高度経済成長みたいな時代は来ない、ゆっくり下り坂に入ることはわかっているけど、その"寂しさ"に耐えられないが故に変な方向に頑張ってしまっている、、これまでとは違った頑張り方が必要だよね、という話。

 

地方創生のケーススタディのごとく、実際の地方のいい感じの事例が紹介されています。うち二つは香川県小豆島善通寺四国学院大学のお話です!

 

東京一極集中じゃ日本がもたないし地方創生だーと叫ばれてる世の中です。が、個人的には自分の田舎、地方に対しては煮え切らない思いがあります。好きだし嫌いだし、住みたいけど住みたくないし、離れたいけど離れたくない。この本を読んだら、そんな微妙な気持ちをめちゃしっくりくる方法で咀嚼できたような気がします。

 

まず、都会の圧倒的強みというのがこれ↓

文化資本、とりわけセンスや立ち居振る舞いなどの身体的文化資本は、おおよそ二〇歳くらいまでに決定されると言われている。…この身体的文化資本を育てていくには、本物に多く触れさせる以外に方法はないと考えられている。…そうだとしたら、現在の日本においては、東京の子どもたちは圧倒的に有利ではないか。東京、首都圏の子どもたちは、本物の(世界水準の)芸術・文化に触れる機会が圧倒的に多い。(P.108)

 これな!!!一時は、どんな都会の名門校に入って有名予備校に通おうが、地方の進学校からかりかり勉強しようが、結局たどりつく大学が同じだったら同じやんと思っていましたが、たぶん違う。学力(知識量)は同じかもしれないけども、文化の経験値に差が出てきます。海外の有名なオペラや絵画とかが日本に引っ越し公演、巡回してきても、東京・大阪などだけ回って終了なことがほとんどです。これはほんまに都会がうらやましいところ( ;∀;)

また、東京では小学校の遠足で国会見学したり皇居見学したりと、彼らにとっては特別なことでなくても、地方からすると「ああやっぱ違うなー」となるのです。

 

田舎に文化がないわけじゃないし、代わりに自然があるというのはある程度そうなんですけど、また別問題。

 

さてこの身体的文化資本が欠如すると何が問題なのか?国からの交付金はかえって地方を保護政策依存にさせてしまうーという文脈で、

地域の自立再生には、そのような一方的な保護政策に打ち勝つための「文化の自己決定能力」がどうしても必要だ。ではその能力(センス)はどのようにして育つのだろう。それは畢竟、小さな頃から、本物の文化芸術に触れていくことからしか育たないと私は思う。(P.159)

他のところで「文化の自己決定能力」は「付加価値を生み出す力」と言い換えられています。身体的文化資本がないと、その土地ならではの付加価値を生み出すことができず、本当の意味での地方創生ができないというわけです。

 

 

日本がアジア唯一の大国である時代は終わりました。中国、韓国はぐーんと伸びています。

ゆっくりと衰退していく自国の姿を受け入れることは、寂しいことである。しかし、私たちは、その寂しさに耐えなければならない。(P.191)

自虐史観だのと言われてもやはり愛国心みたいなものはあるわけで、自分の国が成長していくという昔の上向きの空気が懐かしくて懐古厨みたいになってるってことですかね。

 

 そんなぐずぐずな世相では、猛烈なリーダーシップを持ったトップをもってくることで停滞感を打破しようとしがちですが、方向転換が必要なんです。

これからの日本と日本社会は、下り坂を、心を引き締めながら下りていかなければならない。そのときに必要なのは、人をぐいぐいとひっぱっていくリーダーシップだけではなく、「けが人はいないか」「逃げ遅れたものはいないか」あるいは「忘れ物はないか」と見て回ってくれる、そのようなリーダーも求められるのではあるまいか。(P.150)

これ、「支配型リーダー」ではなく「サーバントリーダー」たれっていうアジア学院で習ったことです!上意下達の支配型リーダーにも欠点はあるので、自ら動いてみんなを巻き込んでいく、ある意味ではみんなに仕えると言えるサーバントタイプのリーダーがいまどき!みたいな話。

 

競争と排除の論理から抜け出し、寛容と包摂の社会へ。(P.236)

そしたら自殺とか過労死とかなくなるかな。

 

コミュニティ論みたいなのは初めてでしたが、これからいっぱい読んでいこうと思いますー