Book Review『アミ 小さな宇宙人』
- 作者: エンリケ・バリオス,さくらももこ,石原彰二
- 出版社/メーカー: 徳間書店
- 発売日: 2005/08/05
- メディア: 文庫
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好き度:★★☆☆☆
自分のとっておきの本を紹介しあう会にて、友達が一推ししてた本。これをきっかけに国際協力に興味を持ったとのこと。子どもむけの本なので、貸してもらって一瞬で読めました。
著者のエンリケ・バリオスさんはチリの作家。wilkipediaをみると、ふむ。
原題は AMI, EL NIÑO DE LAS ESTRELLAS です。estrellaはスぺ語で「星」ですね。
この本は、主人公の少年ペドゥリートが宇宙人・アミといっしょに体験した不思議なことを「おとぎ話だよ。大人が批判するだろうからね」っていう体裁で語ったものです。アミはいろいろ達観してて、平凡な地球の少年ペドゥリートは彼の考えに感銘を受けて視野が広がる⇒読者も「おおお~」ってなることが想定されてるんだと思います。
借りといてこんなこと言うのもあれなんですが、ここまで一文一文にひっかかってしまうのは珍しいってぐらいひっかかりました(笑)その要因は自分の一時的な心理状態にあるのか、信念が強固になってしまったのか、、あとから客観的に自分をみるためにも、つっこみをいれていきます。
(アミ)「まだ現実に起きていない先のことをあれこれ気に病むのでなく、いま起きていることにあたることのほうが賢明なことだよ」p.46
グラナダで出会ったアルゼンチン人と同じこと言ってる。どんな仕事してるのって話の文脈で、将来にそなえたって今が楽しくないと始まらないよ!!的なことを言われました。ラテンや、、!と強く思ったのを思い出しました。
ペドゥリートが神様のかたちってどんなのー?って疑問に思ってる場面にて。
アミ「神は人間のかたちをしていない」「かたちはなく、きみやぼくのような人間ではない。無限の存在であり、純粋な創造のエネルギー、かぎりなく純粋な愛だ•••」p.57
the信仰心の薄い日本人としては、「神こそが創造主!愛!」に違和感がぬぐえない;; しかもお父さんが牧師さんの友達いわく、神は自分に似せて人間を創ったと聖書に書いてあるらしいので、かたちがないって矛盾?
アミ「きみは文明人じゃないよ」p.64
アミによると、地球は未開の惑星で、そこに住む人間は絶えず戦争をしたり自殺をしたりと野蛮だと。あながち間違ってないんだけども、途上国にいくにあたって異文化理解、文化人類学あたりに向きあってる身としては、それって人間が<文明ー非文明・未開>の図式を<先進国ー途上国><帝国主義国家ー植民地>にあてはめてきたのを、ひとつ次元をずらして<宇宙ー地球>に適用しただけやん!と。真の異文化理解の助けになる考え方ではないんじゃないかと思うわけです。人間の悪行を戒めるのは、地球外のより高度な文明を持つ存在ではなく、自然とかやと思う。←神道の影響もろに受けている自覚!
キリスト教は未開人たちを啓蒙(enlightenment)してきました。そのベースがどうしても強く感じられて、うーんという気持ちになりました。
ただ唯一神だけが崇拝されるべきなんだ。p.110
ここにはほかの生きものを害するようなきけんな動物は、いっさいいないんだよ。猛獣とか、サメ、毒ヘビといった愛から遠くかけはなれた動物は、それらにふさわしいところにいる••• p.187
とまぁ極端に思える記述がたくさんありました。
自分と違うものに遭遇したとき、良し悪しの価値判断は抜きにして、まずは違いを把握するっていうのがポイントって習っています!