海外飛び出すことになったブログ

やっと海外に住みはじめました。ミーハーな海外フリークがthinkとdoをこつこつ記録します。

エルニーニョ現象がマラウイに来ると。

  『今年はエルニーニョだ!/ラニーニャだ!』と耳にすることが数年に一回ありますね。

日本では「暖冬らしい/寒いらしい/やだねー」だけの話で終わることが多かったですが、

マラウイではそんな穏やかに済むものではないんです。生死が関わってきます。

 

 今年の11-4月、マラウイの運命やいかに。。

 

 

 

1.前提:マラウイの基本情報

まず、前提となるマラウイの情報をば。

 

★農業国ー

国民の80%が農業従事者。農業は言わずもがな天気に大きく影響を受けますね。

やし、灌漑設備やビニールハウスなど自然の影響を和らげる設備も皆無なので、自然のなすがままです。

 

★雨季と乾季ー

1年は雨季と乾季に大別できます。

11-4月は雨期(ゲリラ豪雨が1日数回ダーっと降る。降ってる途中は外に出ずにやむまで待つのが賢明。いったん終わるとぴたっと止むが、また次いつ降るのか予想できない。)この時期に農業をする。

5-10月は乾期(雨は数か月1滴もふらない。洗濯に便利。)

 

★停電ー

毎日ある。24時間電気のある日は年間10日くらい?電気が豊富にある3-9月は停電1日5時間くらい、電気が危機的な11-2月は停電1日12時間くらい。

(※これでも生きていけるのは、日頃から備えていること、忍耐力を鍛えていること、いろいろ諦めても許される社会であることが背景にあります。

日本でこのレベルの停電が来ると普通にきついので、超人になったわけではありません)

ほぼ100%をレイクの水力発電に頼っているので、水位が高いと多く発電でき、低いと逆になります。ただ水位が高くなる雨期には、濁流に乗ってきたいろんなゴミがレイクにある機械を壊して結局停電はなくならない、、というのがいつものパターンです。

 

 

2.2018年度雨期はどうなるのか?!

 

今年はエルニーニョが来るとの予想がされています。

 

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気象庁HPより

気象庁 | エルニーニョ/ラニーニャ現象に伴うインド洋熱帯域の海洋変動

 

インド洋のアフリカ沿岸の海面の温度が高くなるんですね。

その影響は??

 

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National Oceanic and Atmospheric Administration (NOAA)より

El Niño & La Niña (El Niño-Southern Oscillation) | NOAA Climate.gov

 

 

広域の予報では、南東部アフリカは warmでdry とのこと。

 

とはいえ、マラウイ湖沿いの標高の低い一部の地域では erratic rain(不規則な雨)が予想され、洪水に警戒すべしとのこと。

 

雨が多いのか少ないのかはっきりしない、とにかくどっちかに極端になる、いわゆる異常気象なんですね~

 

3.死の危険たち

 

新聞やニュースをチェックしていても、数日単位でレイクの水位情報や気象予報などが変化します。

先週は、「ここ2,3年に比べて水位が高いので、例年より停電時間が少なくすむだろう」という記事をみたのに、

今日は「いつもよりレイクの水位が低いので発電量が少ない。例年より停電はひどくなるだろう」というのを見かけました。

 

まぁマラウイの電化率は10%なので、正直電気がなくて直接死ぬ人はいなんですね。

怖ろしいのは、農業が死ぬこと物理的に死ぬこと物流麻痺して死ぬことじゃないかと思っています。

 

農業が死ぬ

ほぼすべての農民たちは灌漑設備を持っていないので、空から降って来る雨だけで農業をします。なので、

雨が少なすぎる→作物が育たない→不作→多くの人が死ぬ。

雨が多すぎる→畑が流されて収穫量が少ない→飢饉→多くの人が死ぬ。

 

どう転んでもすぐ死につながるというのが、日本では持ったことのない感覚です。

とにかくmoderateな雨が降ることがみんなの願いです。

 

そして多くの農民が気象予報という超大事な情報へのアクセスを持っていないのも大問題です。

世間話程度にこのニュースの話をすると、村人が血相を変えて「これは重要すぎる情報だよ、みんなに伝えるよ!!」と言いました。

そうか、天気の話はそりゃ重要だ、、!と鈍感な自分はそこで気づいたのです。

 

 

物理的に死ぬ

雷に打たれて死ぬパターンも悲しいことによくあります。

 

また、少し衝撃的な話も。。

 

雨期はトウモロコシ畑の背が伸びて、死角が増えます。

若い子も中年も、お金がないので→男女がトウモロコシ畑に分け入り、ごにょごにょ。

 

今年も、トウモロコシ畑で2名が雷に打たれて死亡という事件がありました。悲しい。。

www.nyasatimes.com

 

mwnation.com

※2つ目ののリンクのNationは日本でいうと読売新聞的なポジションです。

 

友人の話では、自分の畑からがさがさ音がする、盗人か?!と思ってパンガナイフで武装して様子を見に行くと、男女が裸でいて「メイズ盗んでるんじゃない!許して―!」と言ってきたそう。すごい。

 

都市伝説っぽいと思いましたが、マラウイの新生児の出生は9-12月に多くなるというのを医療関係者から聞きました。すごい。。 

 

 

物流麻痺して死ぬ

 

道路などのインフラがとてもとても脆弱です。

前回の雨期では国で数本しか通っていないコンクリ舗装をされた幹線道路が私の知る限り4回は崩落し、通行止め。迂回するなら100km西にある別のコンクリ道をどうぞ、という状態に。いや無理やんもう無理やんってなりました。

 

さすがにどうにか数日で突貫補修され、生活物資を運ぶトラックが行き来ができるようになったので命拾いしました。

 

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こんな感じで雨期始まりの11月は恐怖です。

水も電気も食べ物もなくなり、犯罪も増え、、、憂鬱。