Book Review『パリでメシを食う。』
好き度: ★★★☆☆
友達のすすめで読み始めた川内有緒さんの本2冊目。パリに生きる日本人10人のライフストーリー。
背中を押してくれるパワーワードが盛りだくさんで、かつ外国という環境で生きる彼らの言葉に「激しく同意!!」となるところが多々ありました。変に肩肘張らずにコツコツ踏み固めていったらいいのかねーなんて気になりました。
「だって、上昇するために生きていくんでしょう、人って。上昇することをやめたら切ないよねえ。夢は夢だから叶わないって決めちゃう人っているでしょう。自分で見切りをつけてる。でもつけなければ、絶対に叶うのにねえ」
絶対に、といえるあたりが素敵。絶対と信じるのがカギなんかな。
本当は、何もかも自分のことだけで、人のためにどう役に立てるかなんて考えていないのかも。
ただおいしいものを作りたいというシェフ。必ずしも人のためにっていうのが動機じゃなくてもいいんだ。
「以前は後ろに引きこもって、動かなくて後悔してた。今はこっちに一人でいる分、だめもとで働いてみようって思うようになりました。パリに来て、私は確実に強くなっていると思います。もし日本にいたら...たぶんナアナアになってたと思う。こっちでは、起こること全てが自分に降りかかってくるので」
マラウイとパリではもちろん違うんだが、この感覚わかる。めきめき日々の強化を実感できる!
この世の中には、『何をしたいか』を語る奴が多すぎる。思っているなら、やらないとね。とにかく一歩を踏み出せば案外うまくいく。だから、みんな一歩を踏み出せばいいのにって思っているんだ
デザイナーの言葉。強者の論理っぽいけど、どこかあったかい。
目標が定まった修子さんは、目隠しをされた競走馬のごとくガムシャラに働き始めた。
「学校でも若い子たちはフェット(パーティ)に行ったりするけれど、外に出るお金がかかるじゃないですか。だから私は行きません!フランス語はフランス人と話して、お金をかけずに覚えようと。カフェに行くと一杯のコーヒーで三時間くらい勉強しました。毎日行くからカフェの人とも知り合いになって。いつも『また勉強してるの、君は勉強しすぎだよ。少し休んだら』と言われてました。学校でも『あなたはがんばりすぎてる』って言われて。でもすべては自分のためじゃないですか。好きなことを勉強してるので苦にならないし、そのために今までがんばってきたので」
ストイックさが美しい!すがすがしい!
また、こんな人も。
「あたしね、行く前に軽いうつ状態になってたの。精神的、肉体的なストレスがすごくて。何もかもうまくいかなくて。今思えば、それがあたしにとってすごく大切な時期だったのかも。今のあたしがあるのは、あの時期があるから。あの頃は、ちょっとフワフワしてた。頭がぼんやりしてる感じ。だから、外国に行くって言っても、緊張感とかなかった」
スクワットで画家をする女性。人生いろんな局面がある。
誰にも、その人の居場所はこの世のどこかにある。
「人生で一番大切なことは、自分の好きだと思うことを守って、追い求めること。好きなもの、そして好きな人も」
始めることより、その後続けていくほうが大変ですから
始めることにとらわれていると先は長い!
一人のフローリストがアフリカに惹かれる理由。
「本物が見られるから。すべて本物。文明も、その弊害も。自然も。全てがあからさまに見える。自然と文明が共存していて、明らかに自然が文明に勝っている。アロエとか見たことあります?何メートルもある。あれが本当のアロエなんですよ」
つい先日農家さんの畑でアロエを見たばかり。でかかったし猛々しかった。
For my information
外国人が労働許可を取得するためには、本人ではなく雇用主の根気がためされる。高い失業率の中で「なぜあえて外国人を採るのか」ということを説明しなければならない。それを証明するためだけに、求人を職業案内所に出し、フランス人が応募してきたら試しに雇用し、二人を比較することまで求められる。その上で「やっぱり外国人を雇用したい」という結論になれば、初めて労働許可の申請ができる。申請が通ると今度は、高額の税金を納めなければならない。つまり、かかる時間も手間も経費もフランス人を雇用する場合よりはるかに多く、それだけのメリットがないと食指が動かないのが外国人の採用だ。
国内の雇用を守るためにフランスも策を講じとんやなぁ。
終わり!
Book Review『世界の終りとハードボイルド·ワンダーランド』
世界の終りとハードボイルド・ワンダーランド 上巻 (新潮文庫 む 5-4)
- 作者: 村上春樹
- 出版社/メーカー: 新潮社
- 発売日: 2010/04/08
- メディア: ペーパーバック
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世界の終りとハードボイルド・ワンダーランド 下巻 (新潮文庫 む 5-5)
- 作者: 村上春樹
- 出版社/メーカー: 新潮社
- 発売日: 2010/04/08
- メディア: ペーパーバック
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好き度: ★★☆☆☆
村上春樹の本は5つめ。まだまだやけど、なんとなく雰囲気がつかめてきた!
この本はよくわからないけど、二つの物語が交錯していく。図書館、というところのリンクでやっとはっとさせられた。下巻のまあまあ最後の方。
喜怒哀楽をかかえながらも有限の人間生活を送りたいって話だろうか。よくわからないな。そうかもしれない。笑
二つが交錯していくこの感じ、どこかで経験したなーと思ってたのが、「海辺のカフカ」だ!あれはおもしろかった!
この小説、1985年のものなのに古くささを感じさせるものが圧倒的に少なくて、「西ドイツ」くらい。「ガス給湯器」?もそうかな。でもなんとて古くさくないのが不思議にすごい。話は空想でほんとによくわからない。
いっつも笑ってしまう独特な表現たちをメモメモ!
ただの太った女なら、それはそれでいい。ただの太った女は空の雲のようなものだ。彼女はそこに浮かんでいるだけで、私とは何のかかわりもない。しかし若くて美しくて太った女となると、話は変わってくる。私は彼女に対してある種の態度を決定することを迫られる
要するに彼女と寝ることになるかもしれないということだ。それがおそらく私の頭を混乱させてしまうのだろうと思う。(上22)
火箸は頭骨とは逆にずっしりと重く、まるでフルトヴェングラーがベルリンフィルを指揮するのに使う象牙のタクトのような威圧感があった。(上121)
フルトヴェングラーきたーー(゜ロ゜)笑
たくさんの数の女と寝れば寝るほど、人間はどうも学術的になっていく傾向があるみたいだ。性交自体の喜びはそれにつれて少しずつ減退していく。性欲そのものにはもちろん学術性はない。しかし性欲がしかるべき水路をたどるとそこに性交という滝が生じ、その結果としてある種の学術性をたたえた滝つぼへと辿りつくのだ。(上127)
自分で言うのもなんだけど、それほど質は悪くないよ。、、ほんとうのことを言うと気違いですらない。まあ多少偏屈で頑迷で自己過信のきらいはあるけれど気違いではない。これまで誰かに嫌われたことはあっても気違いと言われたことはない (上141)
私はゆっくりと小便をつづけた。その小便を終えるのに二分くらいの時間がかかったと思う。そのあいだ背後では「ボレロ」が聴こえていた。ラヴェルの「ボレロ」を聴きながら小便をするというのは何かしら不思議なものだった。永久に小便が出つづけるような気分になってしまうのだ。(下238)
これはまじで評価したいwww思わずボレロを口ずさんでしまった!笑
私の勃起はガザのピラミッドのように完璧だった(下巻280)
すごいよね、完璧さの比喩有能すぎやろ。。笑
あと、かわいい描写。
彼女は右手を自分のコートのポケットに入れ、左手を僕のコートのポケットに入れていた。僕は左手で小型のトランクを持ち、右手でポケットの中の彼女の手を握っていた。(下111)
あと、物語の本筋とは関係ないけど、「百科事典棒」という理論がおもしろかった!
「百科事典棒というのはどこかの科学者が考えた理論の遊びです。百科事典を楊枝一本に刻みこめるという説のことですな。どうするかわかりますか?」
「わかりませんね」
「簡単です。情報を、つまり百科事典の文章をですな、全部数字に置き換かえます。ひとつひとつの文字を二桁の数字にするんです。Aは01、Bは02、という具合です。00はブランク、同じように句点や読点も数字化します。 そしてそれを並べたいちばん前に小数点を置きます。するととてつもなく長い小数点以下の数字が並びます。0.1732000631・・・という具合ですな。次にその数字にぴたり符合した楊枝のポイントに刻みめを入れる。つまり0.50000000・・・に相応する部分は楊枝のちょうどまん中、0.3333・・・なら前から三分の一のポイントです。意味はおわかりになりますな?」
「わかります」
「そうすればどんな長い情報でも楊枝のひとつのポイントに刻みこめてしまうのです。もちろんこれはあくまで理論上のことであって、現実にはそんなことは無理です。そこまで細かいポイントを刻みこむことは今の技術ではできません。中に詰められた情報量は楊枝の長さと関係ありません。問題はソフトウェアにあるのです。ハードウェアには何の関係もありません。それが楊枝であろうが二百メートルの長さの木材であろうがあるいは赤道であろうが、何の関係もないのです」(下125)
こういう理論があるんだろうか?村上春樹が考えたんだろうか?おもしろい。
「家事労働時間短縮、そして女性の社会進出!」という教科書で習った時代より前にトリップした
さて、私のマラウイでの生活スタイルはといえば日本でのそれとは大きく異なります。炊事、洗濯、お風呂のことをまとめます。長いです。
まず、そもそも家には「キッチン」という設備がありません。キッチンとして使いうる空間がある、くらいに理解しておくと丁度いいかもしれません。具体的には、コンロも調理台もシンクも蛇口も収納スペースも何もない。なので、全部後付けで買うことになります。買わないという選択肢も与えられるし、ポジティブにとらえればカスタマイズ無限大とも言えます。(白目)
備え付けコンロなんぞなく、このバウラー(チェワ語でストーブの意、2,500クワチャ、378円)という七輪みたいなものを使って料理します。
(料理という行為に根深い負の感情しか抱いていない私がとうとう対峙するという奇跡がどれほどのものかというのは余談。)
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バウラーは木炭を使うので、炭を調達してくる必要があります。袋いっぱいで2,500クワチャ(378円)。ナリヤンジーと呼ばれるチャリンコタクシーで運んでもらって500クワチャ(76円)。
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また、クッカーという機器(右下)も準備しました。オーブンの上に2口コンロがついてお値段45,000クワチャ(6,801円)。停電がなく通電しているときだけ使えます。
上の写真の通り、冷蔵庫も買いました。中古で160,000クワチャ(24,181円)。停電のときはただの箱と化します。冷蔵庫は身の回りで一番くらい高い買い物で、「このあたりの人は冷蔵庫持ってるくらいゆとりある人だから、、」と表現されるなど、ひとつの指標となっているようです。
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加えて、ケトル(停電時以下略、 7,000クワチャ、1,059円)。
トースター(停電時以下略、8,600クワチャ、1,300円)
シンクがない、となるとたらい2つを駆使して外の蛇口で洗い物をすることになります。たらいは一個1500クワチャ(227円)。
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次、洗濯について。
洗濯機とかコインランドリーとか先進国的なシロモノはもちろんなく、これも同じ蛇口で「たらい2つ&洗濯板」を使っています。
洗濯板は日本のダイソーで買ってきました。便利と聞いていたけど、いざやってみるといまひとつ使い方がわからない。YouTubeで「洗濯板 使い方」と検索して学習。
意外と厄介なのが脱水。強くしぼると日本から持ってきた貴重なユニクロの服が傷んでしまうし、ずぶずぶのまま干したらびよびよに伸びてしまうし、手間をかけてバスタオルでの脱水をするかなーって感じです。
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そして、お風呂。
お湯ハンドシャワーという天の作りし珍品はないので、お湯を沸かしてバケツにはった水とミックスして柄付き洗面器でかぶってます。お湯をわかすにも、電気がある時はケトル3回分でいけますが、電気がないとバウラーで鍋でお湯をわかして、、となります。
ある日の朝、6:30から火起こしを始めて、調理をしつつ横の蛇口で洗濯板わしわし、2品作り終わって食べて、洗濯物干しおわって8:00。まだ要領がおそろしく悪いのを差し引いても、こんだけばたばたと用を済ませて1時間半かかるかー、かかっちゃうのかーーと思いました。
それでも、雨季の雨の日にはこうもスムーズにはいかんだろうなという更なる不安もあります。
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ただこれが現地の人の生活事情かといえばそうでもありません。上には上がいます。現地の人(にも貧富の差はあるけどsome people)は、川で洗濯、水浴び、してました。
ということで、最後にサバイバル能力を不等号でざっくり表してみます。
日本の現代人 <<< (協力隊員) <<<< 現地エキスパート
⚫シンク <<< 蛇口&たらい <<<< 川
⚫IHコンロ ≦ クッカー <<< バウラー
⚫洗濯機 <<< 蛇口&たらい <<< 川
⚫お湯シャワー <<< お湯水ミックス <<<< 川
家庭的だとか女子力だとかと世間で呼ばれるものは、サバイバル能力とも換言できるのでは?あれ、家庭的と野性的って同じ?と混乱し始めたところで終わります。
人生初、雇用主になってみると新たな視点が増えた
マラウイではウォッチマンという警備員のようなものを雇うケースがある。家の外をウォッチしていてもらうというもの。文字通りウォッチするのが仕事だから、泥棒が来ても対処する義務はない。日本のALSOKやSECOM、日通警備みたいに警棒とかも持ってない(持たせてないというべきか)し、よぼよぼのおじいちゃんだったったりするし、要は住宅犯罪の抑止力になればいいなぁ程度のものだろう。
一つの例としては、夜18-朝6時の12時間(うち4時間は残業扱い)、週休1日、一回の勤務で1690クワチャ(約255円)。これが当地の労働法?で定められている最低の雇用条件みたい。なお法改正でついこないだ最低賃金があげられた。物価もじわりと上がっているもよう。
今マラウイでは仕事にあぶれる人が多いらしい。特に教育を受けてないとなるとなかなか難しい。今日街でも「あなたの組織で求人ない?」って聞かれた。
ILOによると失業率は6.6%(日本は2.8%、南アは27.7%)。アフリカの数字ってあってないようなものなので信頼できるかは置いといて、参考として。
そんな背景もあってか。家のことが落ち着いてから契約を結べばいいやーと悠長に構えていた矢先、ウォッチマン探しに協力してくれた同僚が「彼は一日でも早く働き始めたいと言ってる。今日契約を結ぼう!」と急かしてきて、あっという間に雇用契約を結んだ。
そして晴れて、人生初の雇用主となった。
雇用する側の要望としては、なるべく安いコストでいい人材を雇いたい。
あんまり厳しくすると辞められてしまうし、かといってちゃんと管理しないとだれる。そのバランスが難しい。でも、なんたってお金を払っているのはこっちだし、(生活をかけて働いている)そのウォッチマンを気に入らなければ他の候補は山ほどいるし、雇用主は圧倒的に強いなって思った。
逆に、雇用される側の要望としては、なるべく高い賃金で雇われたい。(なるべくいい能力を提供したいと思うか、なるべく楽したいと思うかは人による)
信頼関係だったり自分にしかないバリューだったりがあれば強い。そんなことずっと昔からみんなわかってるんですけどね、すとんと腑に落ちた。
個人と個人の契約はこんな感じだろうか。
一方の、会社として人を雇う場合はどうだろうー
会社って同じ(少なくとも、似た)目的に向かって複数の人が働くところ。今回の私の結んだ契約とは印象がちょっと違う。経営者側も従業員側も同じ理念を追求していく同じサイドの人間ってイメージ。※あくまでイメージ。あくまで自分がバイト含め従業員だったときのイメージ。
新卒社員に初任給20万円も払うとか、投資というか投機ないし博打に近い。そして「自分のしたいことと違う」と言って利益に貢献するまでもなく数年で辞めていく。部長、常務、こんな思いだったんですね、ごめんなさい。
早帰り早帰り言ってたのも、人件費というコストはバカにならんから。
その上会社はES(Employee Satisfaction)やら一人当たり経常利益(経常利益÷従業員数)やらいろんな指標で、いろんなステークホルダーから評価されて。いろんな官庁から監督されて。なんて社会は複雑なんだろう。Life is tough.
少し話は変わるが、マラウイにはティープランテーションなる植民地主義の名残が今でもある。Tea Estateと呼ばれるそれの所有者は、イギリスの白人らしい。そこで働くのはマラウイの黒人。
「低賃金で働かせて!搾取だ!!」というのがよくある言説だけれども、きっと最低賃金は守ってる。ほんなら最低賃金で現地の人を雇用している私もその「搾取」に加担してるんだろうか?それとも雇用を生み出してるんだろうか?おそらく両方とも正しい。
これらに関しては「きっと」「らしい」というワードが多いことから明白なように情報の正確さに自信はないけど、どこかで誰かが確実に言っていたことを私が見聞きしたことに基づいている。(末尾につける「知らんけど!」と同義)
Book Review『マネーロンダリング入門』
マネーロンダリング入門―国際金融詐欺からテロ資金まで (幻冬舎新書)
- 作者: 橘玲
- 出版社/メーカー: 幻冬舎
- 発売日: 2006/11/01
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好き度: ★★★☆☆
アンチマネロン、犯収法、反社、テロ検とか細かいなぁ煩わしいなぁと思いながら規則の定めるままに仕事してたけど、銀行のオペレーションがざるであればひいてはこんな大事件が起こっちゃうんだなぁと勉強になる本。金融に携わる人に読んで欲しい!
まさに「巧緻を極める」マネーロンダリングの実例。犯罪っておかす方も追っかける方も頭いいなーーってほげーってなります。私のポンコツCPUでは理解できませんでした。笑
勉強になったことをメモ。
プライベートバンク···
個人所有の銀行。ジュネーブのプライベートバンカーズ協会に加入するピクテやロンバード·オーディエ·ダリエ·ヘンチなどの名門銀行はほとんどが18世紀に創設され、王候貴族などヨーロッパの富裕層の財産管理を営々と行ってきた。こうした伝統的プライベートバンクの特徴は、オーナー一族が自らの財産で設立し、無限責任によって運営されていることだ。経営に失敗すればオーナー自身が破産するというこの仕組みが、資産の保全を望む顧客の信用の源泉になっている。
それに対してUBSやクレディ・スイスなどの大手金融機関は株式会社であり、有限責任の株主が所有し、取締役会で選任された経営陣によって運営されている。54
タックスヘイブンについて、
スイスがEUに加盟しないのは、租税情報を他国と交換するようになれば金融立国としての基盤が崩壊することをよく知っているからである。59
今は法律変わってるかもしれないけど、
法的には、マネーロンダリングはあくまでも犯罪収益が対象であり、たんなる脱税幇助では犯罪の構成要件にならない。77
キングオブマネロンは?
マネーロンダリングの王様は、昔も今も現金のハンドキャリーである。...SWIFTの例にあるように、コンピュータを利用した資金のやり取りは、データさえ手に入れば送金経路を簡単に追跡できる。技術が進歩すればするほど、匿名性を保証された現金の価値は高まるのだ。186
マネロンの世界の今後、
インターネットの普及によって、恋人探しなどさまざまなマッチングが簡単に行えるようになった。いずれ通貨スワップのマッチングビジネスが登場し、銀行システムを経由しない格安の海外送金サービスを提供するようになるかもしれない。192
Western Unionは銀行経由じゃなく資金を送る方法やけど、なんなんやろ。試してみよー
Book Review『ぼくたちに、もうモノは必要ない。』
ぼくたちに、もうモノは必要ない。 - 断捨離からミニマリストへ -
- 作者: 佐々木典士
- 出版社/メーカー: ワニブックス
- 発売日: 2015/06/12
- メディア: 単行本(ソフトカバー)
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好き度:★★★☆☆
アフリカに2年住む予定でスーツケース1つとバックパック1つで日本を離れました。今は引っ越し準備で、首都で生活用品を山ほど、まじで山ほど買い込んでいる最中です。
物が多めの自分としては流行りのミニマリストってなんぞやと思って読みましたー
たぶんすっきり生きたい!みたいな人が読む本なんですけど、世界最貧国で読むと感じるところもちょっと異なる気がします。第一に思ったのが、一歩家の外に出れば必要なものが必要なだけ、むしろ過剰にあるからこそミニマリズムは成り立つんじゃないかなーということ。まだ物が不足している国では、段階が違うなぁと。
あと、
廊下には何も出さず、ゴミ箱も置かない。徹底したミニマリストぶり。冷蔵庫や炊飯器、電子レンジ、必要なモノだけが部屋にある。
という記述があるんですが、当地では冷蔵庫も炊飯器も電子レンジもないのがデフォなので、あー日本金持ちやなぁ、、ってなりました(笑)冷蔵庫は現地人にとってone of the most高価な買い物な位置付けで、金持ち度の指標にもなりえます。あまちゃんな私は冷蔵庫だけは中古で160,000クワチャ(24,000円)のシャープ製品を買いました。高い、お金ふっとんでく、、
話がそれました。
物を持ちたがる理論的なところは勉強になります。
○サンクコスト(埋没費用):すでに投下してしまい、戻ってこないコスト
○ツァイガルニク効果:やった後悔よりやらなかった後悔の方が強く印象に残る
○人間は「差」を認識する
以下はミニマリストの核心部分。
モノを手に入れるため、手に入れたモノを維持·管理するために、ぼくたちは時間もエネルギーも使い果たしている。その努力があまりに懸命なので、道具だったはずのモノたちは、いつしかぼくたちの主人となってしまう。36
必要なモノは全部持っていたのに、自分に足りないモノばかりに目がいってちっともしあわせではなかった。あれを手に入れさえすれば自分はしあわせになれるのに。あれがないせいで自分はしあわせでない、という発想だ。42
モノを少なくすることは「目的」ではない。ミニマリズムはそれぞれが違う大事なものを見つけるための「手段」。49
モノは自分ではないし当然主人でもない。かつてただの道具だったのだ。誰かの目線のためにあるモノでなく、自分にとって必要なモノだけ持とう。98
こういうマインドなんやなぁというのがわかります。
あとこれは鋭い指摘。
「自分だけのモノを持ちたい」という願望には、誰かに迷惑をかけたくない、誰かに余計な手間をかけたくない、つまり人と関わるのが億劫だという気持ちがセットになっている。139
↑まさに私のこと。ぎくっ!
今はシェアエコ文化の普及で、少しずつ変わり始めているのかなぁ。途上国は物がむやみに溢れる段階をすっとばしてシェアの文化をダイレクトに深めてくれたら地球にもいいよなーと思うけど、それは先進国の勝手な都合なんだろうか。
ものがないところで備蓄がないのは生死に関わるけど、買い出しもほどほどにしよかなーと考え直せる本でした。
Book Review『キューバでアミーゴ!』
好き度:★★★☆☆
たかのてるこさんの作品はおそらく3作品目。「ガンジス川でバタフライ」の文章のみずみずしさがわりと衝撃的で、次に読んだ「ジプシーにようこそ!」は自分と考え似すぎやなーと思っている方です。
行きたい国リスト上位にずっと鎮座しているキューバ、スペイン語が形になり始めたらほんまに行こーー!
キューバと言えば、クラシックカーや社会主義、ゲバラ、ブエナビスタソシアルクラブのイメージですが、この本でそのイメージがさらに上乗せされて濃厚になりました。
キューバは全体的に底抜けに明るい雰囲気なのに、その一方で、どこか切なく、そこはかとない哀愁を感じてならないのだ。p18
社会主義のドン、ロシアは行ったことないけど自分の中では暗く冷たいキャラの国。中国、ベトナムは気のせいか底冷えする感じ?キューバもラテンの明るさと併存する独特の雰囲気があるんだろうか。。気になる!
あと、キューバはカリブ海に浮かぶ国ですが、黒人系の人が多くいます。奴隷として連れてこられた経緯があって、ミックスカルチャーの聖地みたいなところです。
宗教について言えば「サンテリア」というアフリカの神々とカトリックがドッキングしたキューバ独自の宗教があるそう。
黒人奴隷はアフリカの神々の信仰を禁じられており、隠れ蓑としてカトリックの聖人をアフリカの神々に見立てて祈った。
↑これって仏教と神道をうまく整合性とるための本地垂迹説といっしょですよね!きゃぴー
サンテリアはナイジェリアのヨルバ族という部族がシンジテイタ神々がルーツなのだが、中部アフリカのコンゴがルーツの黒人は、彼らの土着の神々とカトリックを合体させた、また別の宗教を信じていたりするのだという。一口にアフリカ系キューバ人といっても、カトリックを信じている人もいるし、祖先がどの地域から連れてこられたかによって信じる神が違ったりと、宗教事情はなんとも複雑なのだった。P.156
アフリカはアフリカとして一口に語られるの、いややなー変えたい。
以下は、たかのてるこさんのいいこと言った集。
ふと、どんな人も意識していないだけで、人はいつだって人生の共演者を探しているのかもしれないなと思う。主演はもちろん自分。イイ男や女がいれば相手役に、気の合う人が見つかれば共演者に、縁がなくて出会うことのない人はみな、その他大勢のエキストラだ。監督も自分だから、キャストの選択も、ストーリーをどうするかも、自分次第。恋愛至上主義の人はラブストーリーを作り続けるだろうし、コメディ好きでセンチな私は、いっしょに笑ったり喜び合ったりできる共演者を求めて、日常をロードムービーのように楽しんでいたい。124
もし世界中の国を均して、金持ちの国から財産を没収して貧しい国とごちゃまぜにして分配したら、私は間違いなく、今とは同じ生活は送れなくなるだろう。...それでも、自分が金持ち側の国に属していることがときどきやりきれなくなるのも事実だし、このままみんながやりたい放題にしていたら、地球がもたないのは目に見えている。「エコ」とか「リサイクル」みたいな考えに地球全体が目覚め始めた今、モノを大事にしながら楽しく生きる工夫をしているキューバには、見習うべきところがたくさんあるような気がしてならなかった。p254
途上国にとびこんだところで自分がスーパーマンになるわけじゃないので、何ができるかなーと日々考えあぐねています。むあーあー。