映画『名もなきアフリカの地で』がおもしろかった
アフリカと名の付く映画を見ておこうということで。とても良かったです。
Nirgendwo in Afrika ≣ 2001 ≣ Trailer
『名もなきアフリカの地で(原題:Nirgendwo in Afrika(独))』
あらすじ
ナチス支配下のドイツから亡命したユダヤ人家族がイギリス支配下のケニアで暮らすのを描いた作品。
1935年頃~1945年頃、ナチスが勢力を増し、宣戦布告をし、負けるまでの時代です。
ヨーロッパの場面はなく、それに翻弄される彼らのケニア生活にスポットがあたっています。
メイン登場人物
パパ・ヴァルター 元弁護士。なんとか稼いで家族を支えようと頑張る。妻と娘より先にケニア移住してたので、現地語をしゃべったり現地人にリスペクトを示したり、こなれた感じ。しかし慣れない野良作業にイライラがたまっているのは確か。
ママ・イェッテル ドイツで不自由ない暮らしをしていたが、夫に呼ばれ娘とケニアへ渡航。美人でモテる。母国と違いすぎるケニア生活に憤慨するも、どんどん成長する。
娘・レギーナ 移住時にはまだ幼く、ドイツ生活の記憶はほとんどない。ケニアで現地の子どもたちに囲まれて育ちスワヒリ語ペラペラ&文化にも抵抗なし。イギリス人経営の学校にも通い、ドイツ語、スワヒリ語に加え英語もできる。聡明でかわいい。
現地人コック・オウア この一家に雇われている料理人。誠実で料理も上手い。ドイツ料理なんか知らないし想像もできないだろうに、おいしく作ってくれる。終始完ぺきな人。レギーナが超慕っている。
こんな映画。私が感じたことを以下つらつらと書き留めていきます。
1.ママ・イェッテルの成長に共感!
2.アフリカあるあるにほっこり!
3.名言集~人種差別、人生の教訓とか~
1.ママ・イェッテルの成長に共感!
ドイツでのパーチーを楽しんだりという瀟洒な暮らしから一変、theアフリカの中に放り出されます。
着いた先では上半身裸の人がたくさん。衛生面の水準がまるっきり違う。食べ物も本国と異なる。。。
「ここでは生活できません!」
「言葉の通じる人と暮らしたい!」
「卵とメイズだけの生活なんかもういや!」
スワヒリ語を覚えるのではなく、ドイツ語を押し通そうとする。
死ぬほどわかるよ😭😭😭😭
最初はイライラして憤死しそうになって文句と愚痴しか出てこなくてみじめで周囲に当たり散らして。。
え?私か?
そんな感じで夫との仲も不穏な空気が流れ始めるのですが。。
しかしだんだん態度に変化が。
娘に誘われて現地のお祭りに参加したり、現地語を覚えたり。
ドイツに帰るかどうかという話になった時にも、ケニアにとどまりたい!と。
アフリカを知るうちに恋に落ちて、とかそんなちんけな言葉では表せない変化。
なんというかな~腹くくって覚悟決めてドドドドドドと突き進んでみると、「あれ?意外とここにも良いとこあるやん」とふと気づくみたいな。
ドイツがイギリスと戦争を始めたタイミングで、敵国人として収容される場面があります。
パパは男性なのでキャンプのようなところに連れていかれますが、ママと娘はホテルに滞在することになります。
その中でも夫の職を確保するためにイギリス人担当者に直訴して、ユダヤ人団体の有力者に会おうとしたり。
その後も、夫がいない中、一人で農場経営をして現地語を駆使して従業員を雇って。
本当にすごい。
ふてくされずに頑張るのは本当にすごい。
「行動し続けろ」言うのも理解するのも簡単やけど、実行に移すことは大変。
ママは作中なぜかふらふら浮気したりダメなところもあるけど、相当頑張ったと思います。
もともとそこで育った娘とは違って、人間の土台ができあがってから異国の地で生活を始めるのはまじで大変なことです。
2. アフリカあるあるにほっこり!
・頭の上にいろいろ乗せて運ぶ女性たち。
・よく見る男性たちの服装、体型。
・肌の白い外国人が通るとみんな凝視(笑)
・「ムズングー!」外国人だとちょっかいだされる、しかし現地の人はまじで悪気なくて無邪気、、
・「カリブー!(ようこそ)」現地のお祭りに参加すると、超ウェルカム。他を排除せずにゆったり受入れてくれる彼ら。
・「アサンテサーナ!(ありがとう)」モト(火)ニュンバ(家)マジ(水)
・列車が駅じゃないところでいきなり止まって、物売りがうわぁーっと窓越しに売りに来る
・バナナ売りに「お金なくて買えないの、、」と言うとバナナを逆にくれるという。彼らの方が貧しいだろうに。
アフリカ人は純粋無垢でいい人ばっかり、とか死んでも言いませんが、確実に彼らの持つ温かさはある。適当な言葉がみつからない。ぽかぽか、みたいな。
3. 名言集
ビビッときた台詞が2つあるので記録します。
ひとつめ。
ママはケニア移住直後は、現地料理人につらくあたります。そんな彼女にパパが放った言葉。
スワヒリ語を毛嫌いして、黒人に対しても見下した態度を前面に出します。
差別が冷酷で悪いことと分かっていても、人間には他より優位に立ちたい本能があるのか、常に意識し続けないと隠れた差別意識にのっとられます。
気をつけねば。
もうひとつは、
「ののしっているだけでは、世界中が死と破壊にまみれてしまう」
終戦後、弁護士だったパパはなんとかフランクフルトの裁判官として職を見つけますが、ママはナチスの余波を懸念して帰りたくない、ドイツなんか信頼できない!と反対します。それに対して。
これ、日本から一度でも海外に出るとわかる感覚な気がする。
比較対象ができて、母国のいいところも悪いところも見えて。
そのまま海外に留まるか日本に帰るかは個人の自由で何が正解かは人によって違います。
でも確かにやばい母国を建て直さねば!って頑張る人はすごい。
「日本はダメだわ~」と文句だけ言っててもだめということ。
このパパは考えが冷静ですごい。熱い。
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以上、感想でした!
生きるのはどこであっても大変!みんなそれぞれの場所で頑張ろう!というメッセージ映画のような気がしました。