Book Review『The Warm Heart of Africa』
The Warm Heart of Africa―医療と貧困とアフリカへ730日の挑戦
- 作者: 星美代子
- 出版社/メーカー: 日本図書刊行会
- 発売日: 1998/04
- メディア: 単行本
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好き度: ★★★☆☆
日本語の本を読んでいる余裕はないけど、脳休めのために逃げました!図書館で借りた本。
筆者の星さんは1992年、マラウイに看護師として協力隊派遣された方。本は1998年のものだけど、もし「2015年の本だよ」と言われても違和感ない内容。現地での苦しい活動、整理できない気持ちなどなどがつづられています。
あんま変わってないなと思ったのが、ひとつは協力隊事業のこと。3ヶ月〜もうちょいくらいの訓練を受けてから各国に派遣され、同期隊員の絆が強くて、任国外旅行がたまに認められてて、みんなもやもやをかかえながらも活動に邁進するって感じのね。あれ。
もうひとつが、マラウイの状況。もちろん1992年当時は"独裁政権"と言われるバンダ大統領(30年政権の座にいた)の時代です。筆者の医療現場に目を向けると、いっしょに働く同僚が病院食を多めに注文して自分が食べてしまうなど、日本ではありえないような、援助慣れの一面の描写がでてきます。
そこから25年たって、民主化されて、マラウイの経済成長率も高成長が続いて、変化はめざましいものだと思います。でもこと援助に関しては似たような問題が今でもあるんじゃないかなと。多産多死だったり。あと「変わってない」んじゃなくて、途上国の変化に比べて先進国のそれがあまりに加速度的なんじゃないかなと。
イメージが壊れること、そして、現実を見つめることが生きた援助へつながる第一歩であり、その一歩をふみ出すためには、イメージが壊れることを承知でたくさんの人に援助に参加してほしいと思う。(P.139)
↑アフリカの人はピュアというイメージを壊された筆者のメッセージ。イメージを壊しに行くんだくらいの気概で行こう〜
本は関係ないけど、投資魅力度ランキングでボツワナがアフリカ54カ国中一位になったって記事(Botswana is the most attractive investment destination in Africa - Ventures Africa)を読みました。理由は、戦略的位置、技術力の高い労働力、安定した政治とのこと。一方のマラウイはワースト7位。しかもワーストの顔ぶれはソマリア、エリトリア、中央アフリカ、南スーダンとか政情不安なところに食い込むマラウイ。ボツワナはダイヤモンドなど鉱物が出るとはいえ、同じ内陸国。場所的にいいんだろうか?マラウイはどうやったら貧困から抜け出せるんだろうか?
貧困って問題だからそこから出発だよねっていう開発経済学の考え方も正しいのかなぁ、、と考えされらる一冊でした。