Book Review『ドーナツを穴だけ残して食べる方法』
ドーナツを穴だけ残して食べる方法 越境する学問―穴からのぞく大学講義
- 作者: 大阪大学ショセキカプロジェクト
- 出版社/メーカー: 大阪大学出版会
- 発売日: 2014/02/14
- メディア: 単行本(ソフトカバー)
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好き度: ★★★★★
おもろい!!尊敬する友達らとの話題にのぼったので読んでみましたが、電車の中で笑いをこらえるのが大変な程度に楽しくて知的に愉快な本!
「ドーナツを穴だけ残して食べるには?」という一見ただの愚問とも、深い哲学的な問いにもとれるこのQに、阪大のいろんな学問領域の教授がそれぞれの専門分野の考え方を総動員して答えを出しています。
学部選びを迷っている中高生に(というか高校1年生の自分に)、猛烈に勧めたい(*゚▽゚*)
数学の場合
とにかく目からうろこだったのが、数学的アプローチ!!
数学とかペッ!!!!って感じだったのに、もしかしたら自分に合ってたのではー?とも思います。
それではさっそく驚きの論法をざっくりと説明します♡
この地球上で、物の位置を特定するには3つの要素があれば足ります。東経135度、北緯36度、海抜5m、みたいな。
これを数学で出てきた懐かしの座標上においてみると、(x,y,z)=(東経135度、北緯36度、海抜5m)となりますね。いわゆる3次元の世界。
ところで、1次元の世界(=左右に伸びる数直線)に生きる点Aからみると、2次元でx軸に加えてy軸を持っている点Bは、瞬間移動が可能です。
同様に、2次元で生きる点Bからみると3次元で生きる点Cは瞬間移動が可能です。2次元で円を書いてその中に馬がいると仮定して、3次元の高さという選択肢があれば馬は柵を飛び越えて逃げてしまえるのです。
ということは、同様に、3次元にあるドーナツを4次元に移動してぱくぱく食べて、また3次元に戻せば、穴の存在を認識したまま瞬間的に?ドーナツは消えているのです!
「そんなん屁理屈やん!」と言う人へ。
➡︎数学は理論が間違ってなければ好きに並べたらおっけー
みたいな教授の言葉があったはず。うむ(笑)
だんだん論証が進んでいって、ドーナツを穴だけ残して食べれたとこまで読んだとき、「ああああドーナツ食べれたーーーー!!」と歓喜しました(笑)
↑数Iの二次関数で早くも数学嫌いになった私の説明では分かりにくいことこの上ないと思いますので、ぜひ先生の解説を本で読むことをおすすめします!
法学!
だめだ、本が手元になくて説明できない、、脳みそに残ってない証拠だ。とりあえず詭弁ヤローか!という法学者らしい論理だったと思います。
ドーナツ問題に関連して、「ヴェニスの商人」のシャイロックに対する判決のエピソードもでてきます。法的安定性などの基本的な考え方も紹介されていて、ほんまにわかりやすい。
総じて
阪大の学生も阪大の先生もさすが!!!好き!!!ってなりました(笑)
学際的に考えられるようになりたい。
あーインプットもアウトプットもエネルギーいるな!不足している!
それではまたー